【ドイツ・カールスルーエ】 IPG Automotiveは、CarMaker13.0を2023年11月15日(水)にリリースしました。 新しいHDシナリオが追加され、3Dモデル統合機能や設定可能なグラウンドトゥルースセンサの機能が拡張されました。さらに初めてバーチャルリアリティ(VR)ゴーグルの使用が可能になります。
最新バージョンのCarMakerは、さまざまなアプリケーションでの活用に加え、シナリオとモデルのよりリアルな描画を提供します。
市街地トンネルのHDシナリオでは、厳しい照明環境、非常駐車帯、トンネル内のジャンクション、建設現場や事故状況など、多数のエッジケースのシナリオを提供します。また、3Dモデル統合機能が拡張され、サードパーティツールを使用することなく、Movie NXにユーザー独自の車両モデルを統合し、シミュレーションのカスタマイズが可能になります。
シナリオエディタの新バージョンでは、.kmlファイルからの道路作成機能の拡張、路面標示の視覚性の向上、HD Live MapsインポートやOpenDRIVEインポート/エクスポート機能の最適化により、より効率的で現実的なシナリオ生成が可能です。またOpenSCENARIO Converterは、OpenSCENARIOバージョン1.0、1.1、1.2をサポートするようになります。
バージョン13.0で新規性の高い点はグラウンドトゥルースセンサの拡張です。ADおよびADASアプリケーション向けのテスト用に、モジュール式で柔軟かつ強力な方法で正確なグラウンドトゥルースデータを生成し、さらに静的景観オブジェクトの検出が可能になります。
さらにCarMaker 13.0のリリースに合わせて販売を開始するCarMaker Office Extenedでは、完全なHIL(Hardware-in-the-Loop)環境を必要とせず、リアルタイムでECUハードウェアのテストが実現できます。
また、CarMakerの可視化ツールであるMovie NXはオプション機能として、HTC VIVE Cosmos EliteおよびMeta Quest ProのVRゴーグルに対応します。VRゴーグルを利用することでより没入感が高められ、距離と3Dオブジェクトの認識が向上します。これにより、非常に現実的な環境で機能テストとリスク分析、さらに新しいアプリケーション分野の開発を高効率かつ正確に実行できます。
CarMaker 13.0では、サスペンションモデルの拡張に加えて、統合パワーブレーキのモデリングが可能な新しい油圧ブレーキモデルを提供します。ユーザー固有の信号処理を統合するための物理センサーAPIは、発射された光線のオブジェクト上での各ヒットポイント情報を直接出力します。モジュール化されたIPGDriverモデルは、テスト実行とは切り離してドライバをカスタマイズでき、例えばパワートレインアプリケーションでは異なるドライバ学習プロファイルの利用が可能になります。